2000年3月24日金曜日

藤の木山砦の三銃士  塩野米松  1995年 小学館

 かなり前に学科の友人から貰いました。彼のお父さんの著作です。途中まで読んで私の部屋の虚無に飲みこまれてしまい、行方不明だったのですが、大掃除の際に無事救出されました。
 この本は確か平成7年の埼玉県公立高校入試に使われていたと思います。私は学生時代ずっと学習塾で国語を教えていたので、入試前に過去問でもやらせようとプリントを刷っていたら「塩野米松」が出てきて、大変驚いた記憶があります。見つけた後、当然速攻で電話確認しました。
 内容は田舎の子供達の話です。塩野氏は秋田県出身のようで、自分の幼少時代を味付けして描いたのだと思います。毎日が自然と共にある昔の子供達を描くと、現在の家でテレビゲームをしている子供達を嘆き、過去礼賛的な批判じみた文章になりがちですが、この本はまったくそのような印象は受けず、すがすがしい読後感でした。いいです。


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