北海道大陸紀行
稚内〜紋別〜羅臼〜霧多布岬
1999年8月13日 金曜日 曇りときどき雨
ルート | 稚内〜R40〜R238〜紋別 |
走行時間 | 5時間 |
走行距離 | 220km |
朝起きると9時を過ぎていて驚く。普段家にいるときならば、まだ早い時間だが、北海道の感覚だと、すごく寝過ごした感じ。とくに急ぐ理由も無いが、なぜか焦って「みどり湯」を出た。
去年泊まった紋別のRH「ライダーチャリダー共和国」で、お盆には盆踊りに連れていってくれ、そこでいろいろご馳走になったりして面白かったので、今年も今日あたりだろと思い、そのRHに向かう。
途中、セイコーマートで、サラダ巻きを食べる。おいしい。これからの朝食はこれに決めた。
店の前の駐車場の、車止めのところに座ってサラダ巻きを食べていると、なんだか威勢のいい原チャの兄ちゃんがきた。北海道は普通のスクーターでまわっている人や、カブでまわっている人も結構多い。その兄ちゃんは、なんと福岡から下で(50ccだから当たり前だけど)3日だか4日かけてやってきたそう。つええ。この兄ちゃんも「ライダーチャリダー共和国」に泊まるって。でも原チャだから遅くなるって言ってた。遅くなるってゆうか、来られんのか?
RHには、案外早く着いてしまった。というか、早く着きすぎ。普通の人は、6時ごろにRHにはいるんだけど、オレの場合、3時ごろには入っちゃう。だって、あんまり走ると疲れるじゃん。疲れるの嫌じゃん。
案の定、RHに入っている人は誰もいなくて、一人でボーっとする。本を少し読んで、うとうとしていると、坊主頭のなんともアヤシゲな人が入ってきた。なんだなんだ、と思っていると「連泊っすかぁ」と向こうから話しかけてきた。話をしていると、実は鴻巣に住んでいる人だということが判明。大変びびる。久喜にある理科大に行ってるんだってさ。ボクシングをやっているらしく、かってにボクサーと命名。
ボクサーは荷物を置いて、すぐにあたりの散策に出かけてしまった。それでまたやることが無くなって、ボケーっとしていると、今度はちょっとコワモテの二人組みが入ってきた。片方はまたもや坊主で、なんだなんだ、と思っていたら、やっぱりいい人だった。北海道では、ちょっととっつきにくそうだなって人は、大抵いい人みたい。
原チャの兄ちゃんは結局6時過ぎにやってきた。写真は、右からボクサー、原チャの兄ちゃん、コワモテ二人組み。
盆踊りは、明日だったらしく、今日は何も無かった。でも晩飯はRHのおっちゃんが、ジンギスカンとチャンチャン焼きを作ってくれ、700円で死にそうになるくらい食べられた。ご飯を食べながら、いろいろな人と話をして(もちろんRHに泊まっているのは上の4人だけではなく、この日は15人くらいいた)、とても面白かった。せい@札幌さんや、10年前に広島から北海道に来てそのまま北海道で暮らしている人や、XJR400持ってるのにカブで来ている人などと話をしたり、川口に住んでいる人と「埼玉は最高だぜ」と慰めあったり、原チャの兄ちゃんをみんなでからかったりした。
ご飯を食べた後、ボクサーとせい@札幌さんと一緒にお風呂に行こうと言う事になり、ボクサーが「僕道分かりますよ」と言うから、ついて行ったら結局道に迷って帰ってきた。小雨が降る中、半ズボンで行ったのに。寒いよ。
1999年8月14日 土曜日 晴れ
ルート | 紋別〜R238〜網走〜R244・R334・R335〜羅臼 |
走行時間 | 8時間 |
走行距離 | 250km |
9時頃RHを出る。みんないい人だったので、ちょっと名残惜しい。
とりあえず知床半島に向かい、途中サロマ湖で生ホタテとホタテバーガーを食べた。生ホタテはたいしたこと無かったが、ホタテバーガーはうまい。まずそうな名前からは意外で、特に中に入っているトマトとホタテが妙に合っていた。
そこで昨日のコワモテ二人組みと偶然出会い、と言うか右回りで北海道を回っていれば大体ルートはあっちゃうんだけど、一緒に網走まで行くことにする。
網走に向かう途中で、二人組みのカタナと言うバイクに乗っているほうが、ガス欠になる。そんでオレ様のガスを分けてやった。どうやってガスをあげるかというと、キャブのコックを閉じてから、タンクに繋がってるホースみたいの外し、コックを空けるのさ。実は初めて知ったんだけど。ガスくれって言うから、ガスを入れるところから、キュポキュポ吸い取るのかと思った。違うのね。
その後無事網走刑務所に着いたが、ここは去年見たので入り口までで終わり。中には入らなかった。だって入園料たけーんだもん。それで、中に入る二人とはそこで別れた。
知床に向かう途中で、水族館の看板が見えたので寄ってみる。大人750円と書いてあったのでちょっと迷ったが、入ってみた。そしたら入り口からすぐ近くのところにアザラシがいて、アザラシなんて今までちゃんと見たことが無かったから、どきどきしながらそばに寄ってみると、すげ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜かわいい。やばい。あの愛らしさは、もうほとんど犯罪に近いものがある。
ラッコもいて、ラッコはラッコでかわいいんだけど、そのかわいらしさは、なんかきたねえよって感じだった。うまく言えないけど。頭を掻いたりしてさ。狙ってるんじゃないのって感じの。
それでまた戻って、ずっとアザラシを見てた。なんかねえ、猫に似てる。耳の無い猫。体つきも似てるんだけど、やってることが猫っぽい。無気力。
端っこのほうに外を見て寝転がっているアザラシが、たまに「キューン」と鳴いて、寂しそうだった。故郷を思ってるんだろうか。ちょっと切なくなった。
アザラシと心を通じ合わせた後、また知床に向かう。向かう途中で不意にテントを買おうと思い立つ。コンビニのおばちゃんにテントを売っているようなところを教えてもらい、「坂本ホーマー」という店に寄った。なんとそこでは3人用のテントが2980円で売られており、即買い。銀マットも即買い。懐中電灯も買って、キャンパーもどきに変身した。
たまたま坂本ホーマーにいた群馬ナンバーのVツインマグナに乗ってる兄ちゃんにいろいろ教えてもらい、さすがにバーナーまでは買わなかったが、一通りは揃えた。よし、いい感じだ。
その兄ちゃんとは、そこで分かれたのだが、知床峠のところでまた合い、一緒に露天風呂に行くことになった。実はその兄ちゃんは、熊谷にある立正大学の学生だったらしく、かなりローカルな熊谷ネタで盛り上がった。こんなところで、シチリア知ってる人に会うとは思わなかった。
そんでさて、そこのお風呂は本当に天然の露天風呂で、女風呂に行く途中の道沿いに、男風呂がある。ので、その道を通る人から丸見え。フルチンのオレくらいの若い奴が、プランプランさせながら若い女の人に「一緒に入りませんかァ〜」と言っており、これは犯罪だな、と確信した。
テントを買ったはいいが、寒いので今日はやめ。だってオレはなんちゃってキャンパーだから。昨日、「ライダーチャリダー共和国」に泊まってた人達が、泊まるといっていたRHが羅臼にあるので、そこに行くことにした。場所は案外すぐにわかり、オレが着いたときには、もうみんないた。そこは1000円でジンギスカン食べ放題で、北海道はほんとにジンギスカンばっかりだなあと思いつつ、それでもおいしくいただいた。
1999年8月15日 日曜日 快晴 夕方から霧
ルート | 羅臼〜R335〜標津(野付崎)〜R244〜霧多布岬 |
走行時間 | 4時間 |
走行距離 | 160km |
ボクサーは今日のフェリーで帰るので、羅臼から函館まで700km走るそう。つーか無理だよ。みんなに無理だ無理だと言われながら、「いや、諦めないっすよ、諦めないっすよ」と言い張り、みんなよりもちょっと早く出ていった。
それから30分位してバイクに荷物を積んでいると、ボクサーが戻ってきた。タオルを忘れたらしい。その後ボクサーの呼びかけで、記念写真を撮った。そしてボクサーは「諦めないっすよ」と言いながら、また走り去っていった。なんなんだろ。
野付崎に行く。が、それほど大した物でもない。きれいはきれいだが、この位の景色ならどこにでもあるじゃん。昨日のRHの人達がいたので、ちょっと話をしてまた出発した。
根室まで行こうかと思ったが、めんどくさいのでいきなり霧多布のキャンプ場まで行ってしまう。そんなに遠くないので、1時前には着いてしまった。ついてすぐに、テントを立ててみるとなかなかいい感じで、とても2980円の品とは思えない。ちょっと得した気分。写真は本当は霧多布ではなくて、富良野で撮ったもの。霧多布のキャンプ場は、海のすぐ近くで、カモメの鳴き声と波の音が聞こえるなかなかイカすキャンプ場だった。無料。
岬まで歩いていって、ぼけーっと1時間くらい景色を見ていた。カメラを持って行くのを忘れて、そこの景色は撮ってないんだけど、「紅の豚」に出てくるような景色だった。
戻ってから、taxyのご両親に泊めてもらったお礼の手紙を書く。その後昼寝をした。
起きると、まわりには霧が出ていてテントがしっとりと濡れている。近くのお風呂に行き、今日はそうそうに寝る。テントだとやることが無くて、寝るしかない。