北海道大陸紀行〜8月10,11,12日
小樽〜稚内〜礼文
1999年8月10日 火曜日 晴れ
ルート | 先輩宅〜R116〜フェリー乗り場 |
走行時間 | 30分 |
走行距離 | 15km |
朝6時半に起きる。少々早過ぎたか。身の回りの荷物をまとめ、7時半に先輩宅を出る。昨日下見をしたおかげで、迷わず30分ほどで着いてしまう。受付がとても混んでいて時間がかかる。
9時半に乗船。乗船してすぐ寝る。11時ごろに起きだし、デッキに出る。風が強い。
昼食後また眠くなり、4時くらいまで寝る。この睡眠量がいつものペース。最近は一日5時間とか寝ていなくて、普通の人には普通なのかもしれないけれど、自分にはちょっとキツイのであります。
昼寝の後、隣の人と話をし、一緒に夕食を食べに行く。二等船室なので、広い部屋にみんなごろ寝だから、周りの人と仲良くなりがち。本当は、あんまりお腹が空いていなかったので、食べたくなかったんだけど、やることもないからね。それにしても、フェリーの食事はまずくて高い。どうなってるんだよ。
食事の後で、缶ビールを飲みながらいろいろ話をした。その人は、東京の人なんだけど、もともと実家が北海道で、大学も小樽工業大学と言うところだそう。工業大学だけあって、メカには強そうだった。
映画の話になって、宮崎映画についてしゃべる。その人は『紅の豚』が好きらしく、くわしい。『紅の豚』に出てくる飛行機のエンジンは、本当にある会社のエンジンで、そのエンジンの型番も実際にあるんだってさ。ふーん。
彼は車で北海道を回るらしく、何に乗っているのかを聞いたら、ボルボだって。年を聞いたら、俺のイッコ上なのに。うらやましい。
その人はビールを飲んだ後、すぐ寝てしまい、やることがないので本を読む。ラスコーリニコフが、大変なことをしてしまいそう。そんなことすんな。後で絶対後悔するぞ。
着替えなどは船室に持ち込んでなかったので、風呂には入らず。朝5時に小樽に着くので、早めに寝ようと思ったが、結局寝れなかった。
1999年8月11日 水曜日 晴れ
ルート | フェリー乗り場〜R337〜R231〜留萌〜R232(オロロンライン)〜稚内 |
走行時間 | 10時間(休憩含む) |
走行距離 | 450km |
5時にフェリー到着。小樽市内も見物したかったが、町が動き出すのにあと5時間はかかると思い、とりあえず稚内に向けて出発する。小樽から石狩を通って、浜益・留萌(るもい)へ。ここまでで約200キロ。11時ごろにラーメンを食べる。疲れたので、海岸でちょっと昼ね。
その後ひたすら海岸線を進み、稚内に着く。このように書くとあまりたいしたことはなさそうだが、一生分の体力を使いきった。写真は、日本の最北端、宗谷岬で。
明日は礼文に行きたかったので、稚内のライダーハウスに泊まることにする。「サガレン」には去年泊まったので、今年は違うところを探す。たまたま通りがかった「みどり湯」という所に適当に決める。すると、そこには結婚式会場と書いてあり、何だろうと思ったら、どうやら2・3年前にそこで知り合ったライダー同士が、今日結婚するんだって。宗谷岬で神父を呼んで、その後ライダーハウスに戻って来、パーティーをすると言う。面白そうなので参加することにした。
結婚式までは少し時間があったので、一眠りしてから。ちょっと寝過ごして、急いで宗谷岬に向かった。
岬ではたくさんの人がいて、カメラマンや、テレビ関係者と思しき人たちもいた。オレはなぜか、新郎新婦と初対面なのに、一番前の席に座らされ、クラッカーを鳴らして祝福した。
二人とも幸せそうだった。
新婦は、埼玉の人。新郎は、北海道の人だって。今は、東京に住んでいるらしいけど。
新婦はなんと32歳。見た目は、25くらいだった。だから奥さんのほうが年上。
オレもこの旅で、こういう出会いがあるのかな。まあ、ないだろうな。
帰ってきてから、ライダーハウスでパーティーをやった。この日は、稚内はとても暑くて、会場に使っていた部屋は、すごい人いきれで一際暑かった。二人とも正装のままだったので、大変そう。
そこに泊まっている人は、ほとんどが初対面の人たちなのに、二人を祝福したり、歌を歌ったり、みんな気さくで楽しかった。北海道に行くと、突発的な事々がたくさんあるから、そうゆうものを受け入れやすくなるのかもね。
いいこともあれば、悪いこともあるようで、このライダーハウスに2・3日前に泊まった埼玉の大学生が、事故でなくなったそう。やっぱり、バイクは簡単に死んじゃう乗り物だから、事故だけは気をつけなければいけないなあ、と痛感した。
1999年8月12日 木曜日 晴れ 風が強い
朝6時半に起きるが、眠くて二度寝。8時過ぎに起きる。
礼文島について連泊の人にいろいろ教えてもらった。とりあえず、うに握りがうまいらしい。聞くからにうまそうな名前だ。
次のフェリーは10時50分らしいので、それまで本を読んで時間をつぶす。昨日、礼文に行きたいと言っていた人がいたので、そいつも誘う。伊藤君と言う。
バイクを島に渡すと高いので、バイクは渡さないで、向こうでレンタルバイクを借りることにした。それにしても、東日本海フェリーぼったくり過ぎだよ。なんで、バイクをちょっと渡すだけで、3500円もするの。往復で7000円じゃん。自分も入れたら、1万超えるんだぜ。なめんな。むこうで原チャリ借りても、一時間1000円だってさ。4時間借りたら4000円。自分のバイクを渡すよりは安いけど、それでもねえ。
このように、北海道は観光客目当てに、不当に高い値段設定をしているところが多い。なので、今年はいかにも北海道ですって感じのものは、買わないことにした。
礼文に着き、バイクを借りようと思ったら、全部貸し出し中。自転車はあると言う。でも、礼文島も小さいとは言え、周囲80kmちかくはあるから、自転車は帰りのフェリーの時間を考えると、ちょっと無理。
レンタカーはいくらかなと思ったら、乗用車はすべて貸し出し中で、ワゴンしかないって。ワゴンは3時間で18000円。おいおい。
二人で困っていると、同じように困っている夫婦を見つけたので、声をかけてワゴンを4人で借りることにした。レンタカー屋のおっさんも、なんでか知らないけど5時までで(帰りのフェリーが5時10分だから)、10000円にしてくれた。
加えて伊藤君が、こわもて今風の兄ちゃん3人組みを連れてきて、その人達も一緒にワゴンを借りることになった。いやだなあ、と思っていたら、むちゃくちゃ気さくな好い人達で、実は埼玉の人だった。電気大に行ってるんだってさ。
とりあえず、スコトン岬という、礼文島最北端に向かう。風になびく丈の長い草がとてもきれい。北海道に来ると、美しい景色は大抵見飽きるんだけど、礼文は本当に美しかった。写真だとその美しさの100分の1も伝えられないんだけど。あと今回は、写真をたくさん載せたかったので、文と写真が全部一致しているわけではありません。あしからず。
今回の北海道での一つのテーマとして、ソフトクリームを食いまくる、というのがあったので、スコトン岬でソフトクリームを買う。埼玉の方言で言うと、こたっこいソフトクリームだった。
左の写真は、最北限の地で(宗谷岬の最北端に対してこちらではそう言う)ソフトクリームを食べているところ。
3人組みの一人が「ここ景色が好いんで、オレここで降ります」という。初めは何のことやら分からなかったが、その3人組みは、初めから、その島のあちこちで野宿するつもりだったらしい。野宿と言っても、テントや寝袋を持っているわけではなく、本当の野宿。Tシャツ一枚だけ。3人のうちの二人は時計も持っていなかった。大丈夫なのか?
その一人を本当にそこに置き去りにして、地蔵岩なるものを見に行く。そこに行く途中でも景色のきれいなところがあって、そこでもう一人が降りた。まじかよ。
地蔵岩というところで、トド肉と言うものを食べる。うーん、味は鯨肉みたいな感じ。別に美味いもんでもない。話の種にね。
時間になってしまったので、うに握りはおあずけ。また次の機会に。でもそんなのあるのかな。案の定、最後の一人はそこに留まった。「バイバ〜イ」とか言ってたけど、「バイバ〜イ」じゃないだろ。
結局、ワゴン代は一人1500円ですんだ。すごく安上がりだった。それに、夫婦のダンナさんのほうは、昔レースをやってたとかで、車の運転がすげえうまい。道無き道を進んで、きれいな景色もいっぱい見れた。
その後、ライダーハウスに戻って、風呂上りに買った缶ビールがぬるかった事をのぞけば、今日はとてもいい日だった。